diary
Steinway&Sons
先日、お仕事で伺ったお宅に素敵なスタインウェイがありました。1901年、ドイツハンブルグ製造だそうです。譜面台の彫刻など、とても素敵でした。私も2台使用していますが、大きさだけでなく、年代も製造場所も違い、鍵盤のタッチ、音の響きも全然違います。
私の幼少の頃から調律でお世話になっており(当時は現会長のお父様に)今ではこの2台のピアノのメンテナンス、そし私のコンサート本番ではどのホールでも必ず調律をお願いしている、名古屋ピアノ調律センター社長兼スタインウェイマイスターの宮北哲也さんに、スタインウェイについて、改めてお話を伺ってみました。
私の2台のピアノうちの1台目は、1800年代の物で、いわゆるコンサートグランドです。今では使用されなくなった象牙で鍵盤が作られています。今のスタインウェイの鍵盤よりかなり重く、難しいパッセージを弾くにはなかなかの訓練が必要です。笑。それに伴い音の響きを作るのも難しいですが、他のスタインウェイより、出せる音色が多い気がします。宮北さん曰く、最近のピアノはコンサートグランドでも物凄くレスポンスが良くなってますが、その分音色の多彩さが…。とのことでした。
ピアノはヴァイオリンとは違ってメカニックのようにどんどん進化しているそうで、 ”いかに弾きやすくするか” が最近のピアノ造りのあり方 だそうです。それに比べたら、私のピアノは本当に年代物ですが、このピアノにしか出せない音の響きがあり、私はその響きの中で音浴をしながら練習したり、 KASHの曲を書いたりしています。
2台目は私が東京で一人暮らしをしていた時に部屋に置いていた小さめのピアノです。今では主にレッスンに来る生徒たちが弾きます。もちろんコンサートグランドのような迫力はありませんが、レッスン中、どんな音色が出ているか丁寧に音を聴く習慣をつけるにはとても役立ちます。本番前などに コンサートグランドの方で弾いてみると、あまりのピアノの違いに”手が動かない!”とか”怖くて弾けない”(私のことじゃないです笑)と手が止まってしまう人も多いですが、その緊張感も本番前の練習としてはすごく効果的なのではないかなと思います。
私の演奏を聴いて下さった方に”音色が凄く多い”と言っていただける事が多いのですが、良い意味であれば笑、この2台のピアノのお陰だと思います。
追伸:このブログを読んでくださった宮北さんから早速コメントを頂きました!
「スタインウェイはちっちゃくても本格派です!」宮北さん、有難うございました!
2台とも、ずっと大切にします。